高齢化社会に役立つエイジテックとは
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現在、日本は4人に1人が65歳以上の高齢者である超高齢化社会です。こうした超高齢化社会の到来で、労働力の不足や社会保障の問題が取り上げられることが増えてきています。身近なところでも高齢者家族の介護について話を聞いたり、自治体の放送で高齢者の行方不明の案内を聞いたりすることが多いのではないでしょうか。
これら加齢にともなう問題を解決・サポートする技術は「エイジテック」と呼ばれており、今注目の成長分野とされています。
今回は、高齢化社会に役立つエイジテックについて解説していきます。
エイジテックとは？
エイジテックとは「Age（老年）」と「Technology（技術）」を組み合わせた造語で、高齢者が生活するうえで直面するさまざまな困りごとを、解決・サポートしてくれるテクノロジーを指します。
エイジテックは少子高齢化社会において必要とされており、特に、現在技術革新が進んでいるAIやロボットなどの技術がエイジテックの発展に役立っています。
4種類のエイジテックサービス
ひとくちにエイジテックと言っても非常に幅が広いため、「誰が使うのか」に着目して4つのサービスに分けるととらえやすくなります。
- 高齢者自身が使うサービス
- 高齢者向けに医療・介護施設や行政が利用するサービス
- 高齢者を介護する親族など、個人が利用するサービス
- 若年層が高齢化に備えて利用するサービス
高齢者自身が使うサービス
高齢者自身が使うサービスは、スマートフォンやタブレットのアプリとして提供されているものが多いです。
- 歩数がわかる運動アプリ
- 血圧などの健康管理ができるウェアラブル端末
- 食事や投薬の管理アプリ
- ホームセキュリティ
- ホームアシスタント・家電製品の遠隔操作
- 自宅に設置する手すりやスロープ
- 乗り合い送迎サービス
高齢者向けに医療・介護施設や行政が利用するサービス
高齢者向けの医療・介護施設や行政が使うサービスにもAIやアプリが使われるようになっています。
- 介護支援ロボット
- 可動式入浴台や介護ベッド
- 車椅子仕様車
- 遠隔見守りアプリ
- AI認知サポート
- お薬手帳アプリ
- 電子カルテ
病院や介護施設では、スタッフの減少が課題です。オンラインで自宅と病院を結び、自宅に居ながらにして診察を受けられたり、処方薬を届けてもらえたりするサービスは今後も発展していくと期待されています。
高齢者を介護する親族など、個人が利用するサービス
高齢者を家族が介護する在宅介護は高齢者にとって自宅にいられる安心感がある反面、介護する家族はプロではないため大きな負担となります。その介護をする家族などが利用できるのは、以下のようなサービスです。
- 食事や投薬の管理アプリ
- 見守りアプリ
- 食事や投薬の管理アプリ
- ビデオチャット
高齢者とその家族が離れて住んでいる場合、ビデオチャットアプリが最近使われています。遠くにいてもお互いの顔を見ながら話せるため、安心してコミュニケーションができます。
若年層が高齢化に備えて利用するサービス
高齢になっても健康的な生活を送れるように若年層や中年層が利用するサービスもあります。
- 健康・睡眠管理アプリ
- フィットネス・ウェルビーイングのためのウェアラブル端末
このように自分が高齢者になるときのために、生活習慣を改善し健康的な生活を送るためのサービスが身近なものになっています。
エイジテックの課題
高齢者だけでなく介護者や周囲の人々にとっていくつもメリットがあるエイジテックですが、まだまだ課題も残されています。
1.開発・導入のコストの課題
2.高齢者が使いこなせるかどうか
3.介護従事者の理解
開発・導入コストの課題
メリットが多く世界中で注目されているエイジテックですが、導入コストがかかることも課題となっています。
一般的にテクノロジーが登場した当時は、開発や研究に時間とコストがかかっているため、サービスを導入する際のコストも必然的に高くなります。
しかし、高齢者の生活支援は福祉政策の一環のため、政府や自治体からの支援や補助金が出る場合がありますので導入の際には居住区に相談窓口に問い合わせてみるのもよいでしょう。
高齢者が使いこなせるかどうか
せっかく日常生活が便利になるサービスでも、高齢者が使いこなせなければ意味がありません。また取り扱い説明書やパンフレットがあっても読めなかったり理解できなければ意味がありません。
サービス側の企業も、可能な限り使いやすくデザイン・設計しているはずですが、その通りに使えるとは限りません。そういった製品やサービスには、改善が必要です。使い慣れない高齢者にとっても、エイジテックは慣れ親しみやすく頼れるようなサービス設計も重要です。
介護従事者の理解があるか
在宅介護においては、介護者の高齢化が進んでいます。エイジテックを導入するにあたり、高齢者だけでなく介護する側の理解も必要です。
上手く活用するためには企業が製品・サービスの開発だけでなくどのようなサポートをするのかも重要なのです。
まとめ
本記事では、エイジテックに関するさまざまな情報を解説してきました。エイジテックは、高齢者を対象としてあらゆるテクノロジーを活用した製品・サービスです。世界的に進行する高齢化によって今後も市場は拡大し、製品・サービスの種類も増えるでしょう。
