インフレ時代を乗り切る!シニアのための「高配当株」・「REIT(不動産投資信託)」の選び方
物価が上昇し続ける「インフレ時代」において、現預金の価値は実質的に目減りしていきます。年金収入が主な柱となるシニア世代にとって、インフレに負けない安定した「インカムゲイン(配当金・分配金)」を確保し、「資産寿命」を延ばすことが、最も重要な資産運用戦略となります。
その有力な選択肢となるのが「高配当株」と「REIT」です。新NISAの成長投資枠を活用すれば、これらの収益を非課税で受け取ることができ、より効率的な「じぶん年金」づくりが実現できます。
この記事では、インフレに強い安定的な収入源を確保するための、高配当株とREITの賢い選び方を解説します。
なぜインフレ対策に「高配当株」と「REIT」が有効なのか
インフレ(物価上昇)時代には、モノやサービスの価格、不動産価格が上昇します。これに伴い、企業は収益を増やしやすく、REITが投資する不動産の賃料収入も中長期的には上昇傾向となります。
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高配当株: 景気変動に強く、物価上昇を価格転嫁しやすい生活必需品、エネルギー、インフラなどの安定企業は、増益により配当金(インカムゲイン)の増額が期待できます。
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REIT: 不動産(実物資産)に裏付けられているため、インフレにより不動産価格や賃料が上昇すれば、それが分配金(インカムゲイン)の上昇につながる可能性があります。
シニア世代が目指すのは、値上がり益(キャピタルゲイン)よりも、定期的なキャッシュフロー。高配当株やREITは、その目的に非常に適しています。
インフレに負けない「高配当株」の選び方
「配当利回りが高い」という理由だけで選ぶのは危険です。業績が悪化すれば、配当が減らされたり(減配)、無くなったり(無配)するリスクがあるからです。シニア世代は、「安定性」と「持続可能性」を重視して選びましょう。
選び方の4つのチェックポイント
- 時価総額が大きいか: 体力があり、景気後退やインフレ、金利上昇などの外部環境の変化にも耐えやすい大企業を選びましょう。時価総額5,000億円以上を目安にすると、倒産リスクは低いと言えます。
- 配当利回りが適正か(3%〜4%以上): 現在の銀行金利や物価上昇率を上回る利回りがあることが望ましいです。ただし、あまりに高すぎる(極端に5%を超えるなど)場合は、一時的な業績不振や減配リスクが株価に織り込まれている可能性もあるため、注意が必要です。
- 業績指標を確認する
・ROE(自己資本利益率): 8%以上を目安に、企業が効率よく稼いでいるかを確認します。
・PBR(株価純資産倍率): 1倍以下の水準であれば、資産価値に対して株価が割安である可能性があり、株価の下落耐性が比較的高いと見ることができます。 - 「累進配当」や「増配」の姿勢があるか: 配当を減らさない(累進配当)方針を掲げている企業や、過去に継続して配当を増やしてきた実績がある企業は、配当の持続性が高いと判断できます。
【戦略】ディフェンシブ(景気非連動型)なセクターを選ぶ
生活必需品(食品、医薬品)、通信、電力、ガス、鉄道などのインフラ系は、景気の影響を受けにくく、収益が比較的安定しているため、高配当株投資の核として適しています。
インカムゲイン重視の「REIT(不動産投資信託)」の選び方
REITは、オフィスビルや商業施設、マンションなどの不動産に投資し、そこから得られる賃料収入を投資家に分配する仕組みです。高い分配金利回り(高インカムゲイン)が期待でき、収益の90%超を分配すれば法人税がほぼかからないという構造も魅力です。
選び方の3つのチェックポイント
- 分配金利回りが高水準か: REITの最大の魅力はインカムゲインです。利回りだけでなく、過去の分配金の推移(安定性)も確認し、利回りが高い理由をチェックしましょう。
- 投資対象の分散が効いているか: REITには、「オフィス特化型」「住宅特化型」「物流施設特化型」など様々な種類があります。景気や社会情勢によって強みが変わるため、複数のセクターに分散投資している総合型REITを選ぶか、複数の特化型REITを組み合わせてリスクを分散しましょう。
- LTV(負債比率)が適正水準か: LTV(Loan To Value:不動産価値に対する負債の割合)が低すぎると資金調達力が低い、高すぎると財務リスクが高いと判断されます。一般的に50%以下の水準を目安に、財務の健全性を確認しましょう。
【戦略】インフレに強いアセットクラスに注目
EC市場の拡大に伴い需要が増している「物流施設」や、賃料が安定しやすい「住宅」をメインとするREITは、不況下でも安定的なキャッシュフローを生み出しやすい傾向にあります。
シニアのための「高配当株」と「REIT」活用戦略
新NISAの成長投資枠は、これらのインカムゲインを非課税で受け取れる最高の器です。
戦略のポイント:インカムゲインを「使う」か「再投資」するか
- 生活費の補填として使う場合: 毎月または四半期ごとに受け取る配当金や分配金を生活費に充てることで、年金収入を補完し、現金資産の取り崩しペースを遅らせることができます(資産寿命の伸長)。
- 資産をさらに増やしたい場合: 得られた配当金・分配金を再投資することで、複利効果(運用益がさらに運用され利益を生む効果)を最大限に活かせます。特に60代前半など、まだ資産形成に時間を割ける場合はこの戦略が有効です。
高配当株とREITをポートフォリオに組み入れることで、インフレによる現金の目減りを防ぎつつ、安定した非課税収入を得る「インカムゲイン・ポートフォリオ」の構築を目指しましょう。
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