新NISAを最大限に活かす!シニア世代のための「長期・積立型投資信託」戦略
2024年に刷新された新NISA制度は、セカンドライフを迎えたシニア世代にとって、非常に心強い味方です。資産を取り崩すフェーズに入ったからこそ、この制度の恒久的な非課税メリットを最大限に活用し、「資産寿命」を延ばす戦略が不可欠となります。
今回はシニア世代のための新NISAを活かした資産寿命を延ばすコツをお伝えいたします。
シニア世代こそ非課税メリットを享受すべき理由
2024年からスタートした新NISA制度は、生涯にわたる資産形成の強力なツールとして注目を集めています。特にセカンドライフを迎えたシニア世代にとって、この制度を最大限に活用し、「資産寿命」を延ばす戦略は不可欠となります。
新NISAの最大の魅力は、投資から得た利益が無期限かつ恒久的に非課税となる点です。人生の後半戦では、資産を取り崩すフェーズに入りますが、非課税の恩恵は取り崩し時にも継続します。また、生涯投資枠(1,800万円)と「つみたて投資枠」の併用が可能になったことで、公的年金に頼りすぎない柔軟な資産運用が可能になり、老後の不安を軽減する心強い味方となります。
鍵は「長期・積立」戦略の徹底
「シニアだから短期で利益を」と考えるのはリスクが高いアプローチです。人生100年時代、老後期間は20年、30年と長期にわたります。この長期戦において、一時的な市場の変動で資産を大きく減らすことは避けねばなりません。「資産の保全と緩やかな成長」を目指すために、「長期・積立」戦略を徹底しましょう。
人生100年時代に対応する分散投資の考え方
「長期」の視点を持つことで、インフレによる購買力の低下を防ぎつつ、一時的な市場の下落に動じないメンタル的な安定が得られます。また「積立」によるドル・コスト平均法は、毎月一定額を投資することで高値掴みのリスクを回避し、平均購入単価を安定させる効果があります。これにより、特に市場のボラティリティ(変動幅)が高い局面でも、資産形成の安定感が増します。
実践!新NISA二つの枠の賢い使い方
新NISAの「つみたて投資枠」(年間120万円)と「成長投資枠」(年間240万円)を無理なく併用することが重要です。シニア世代の安定運用においては、手間がかからず、世界中に分散投資できる「投資信託」が最適です。
低コスト・インデックスファンドの活用
まずは「つみたて投資枠」を最大限に活用し、信託報酬(手数料)の低い全世界株式インデックスファンドや先進国株式インデックスファンドに積立設定を行いましょう。これが、手間なく国際分散投資の恩恵を受けるための王道です。
「成長投資枠」については、無理に全額を埋める必要はありませんが、生活に余裕がある場合は、つみたて枠と同様の低コストのインデックスファンドに一括投資することで、複利効果の恩恵を早期に享受できます。最も大切なのは、頻繁に売買せず、一度決めた方針で長期保有を貫くことです。
戦略の例
安定と成長の併用(王道)
- つみたて投資枠:毎月一定額を積立投資でインデックスファンドを購入し、安定的な資産形成を目指します。
- 成長投資枠:ボーナスなど臨時収入があった際に、成長投資枠を使って有望な個別株やETF、アクティブファンドなどを一括購入します
短期で目標達成(積極的)
- つみたて投資枠と成長投資枠の両方を使って、年間360万円の投資枠をすべて積立投資に充てる方法です。
- この方法で、最速5年で生涯投資枠1,800万円を使い切ることも可能です
つみたて投資枠の商品を成長投資枠でも一括購入(柔軟)
- つみたて投資枠と成長投資枠はどちらも対象となっている投資信託があります。
- 普段はつみたて投資枠で積立投資し、資金に余裕がある月は成長投資枠を使って同じ投資信託を一括購入するといった柔軟な運用が可能です
賢く使うためのポイント
- リスク許容度で調整する:成長投資枠は選択肢が広がる反面、リスクの高い投資も可能です。自身の許容できるリスクレベルに合わせて商品を選び、運用方針を事前に決めることが重要です。
- 非課税枠の再利用を理解する:生涯投資枠1,800万円を使い切っても、保有分を売却すれば翌年からその非課税枠を再び利用できます。売却と再投資のタイミングが翌年の1月になる点に注意が必要です。
- 生涯投資枠を無駄なく使う:年間投資枠の合計は360万円です。投資初心者やリスクを抑えたい方は無理なく、資金に余裕がありリスク許容度が高い方はより積極的に、自身のペースで非課税枠を使い切ることが重要です。
まとめ
成長投資枠、つみたて投資枠と枠が二つあると、どのように配分すべきか迷う方も少なくないと思います。
前述したように、両者の特徴を理解すれば比較的シンプルに整理できると考えます。
まず、成長投資枠のみ対象の商品に投資したい場合は成長投資枠で投資するしかありません。成長投資枠、つみたて投資枠両方の対象の商品に投資したい場合は、基本的に非課税保有限度額が大きいつみたて投資枠で投資を行い、つみたて投資枠の年間投資枠120万円を超える分は成長投資枠で投資すると、自由度の高い成長投資枠をより多く残しておくことができます。
どちらの枠を使うにせよ、自分の目的やニーズ、リスク許容度を踏まえて商品選択をすることが最も重要になりますので、まずは「何に投資をするか」をじっくり検討してみてください。