不安解消!支援制度をフル活用し、安心して移住を実現する「シニア向け地域」5選

老後の生活を豊かにするため、住み慣れた場所を離れて新しい生活を始める「シニア移住」が注目を集めています。しかし、「病気になったらどうしよう」「地域に馴染めるか不安」といった懸念から、なかなか一歩を踏み出せない方も多いでしょう。

本記事では、特に医療・介護・生活支援制度が充実しており、シニアが安心してセカンドライフを送れると評価の高い地域を5つご紹介します。

シニアの移住イメージ

高齢者・シニアが移住先を選ぶポイント

高齢者・シニアが移住先を選ぶ際には、「福祉・医療体制」、「交通の利便性」、「気候・自然環境」、「治安・防災」、「生活の費用・住まい」、「趣味・コミュニティ」の6つのポイントが重要です。これらを総合的に検討することで、健康で安心して生活できる移住先を見つけることができます。

福祉・医療機関や制度が整っているか

万が一のときに備えて、医療機関や医療・福祉制度が整っている移住先がおすすめです。健康な方でも、いざというときに備えること、定期的に健康チェックできる医療機関があることは非常に重要です。

特に、持病がある場合には、信頼できる病院がある移住先を選びたい。総合病院や地域のクリニックなどの所在地や数を確認しておくと安心ですね。

介護施設の有無や福祉サービスもチェックしたいポイントである。必要になったときに利用できるように、自治体のホームページなどで詳しく調べておきましょう。

公共交通機関が充実しているか

現在車を利用している方でも、長く生活することを考えると、公共交通機関が整備されているかは重要なポイントです。

日々のショッピングや通院などに不便がないように、バスや電車などで行くことができる範囲が広く、適度に便数が多い地域が望ましい。自治体のホームページでは、まちの交通網を掲載していることが多いため、一度確認してみましょう。

気候・自然環境は生活するのに問題ないか

体温調節機能が低下しやすい高齢者にとって、気候が穏やかで寒暖差が少ない地域が適しています。なるべく気候変動が激しくない地域を候補地にしましょう。

また、自然が豊かか、自分が楽しめる景観かなども重要な要素です。自然が多い地域のほうがゆったりとしたスローライフが楽しめます。

治安・防災は問題ないか

候補地の犯罪発生率が低いか、地域住民が安心して暮らせる環境かを確認します。また、災害時の避難場所やハザードマップなど、防災対策が整っているかも重要です。 

生活の費用・住まい

都会は、地方に比べて住宅費用や食費などがかさむ傾向がある。生活コストを下げたい、趣味や暮らしにお金をかけたいという高齢者の方には、地方移住がおすすめ。

生活コストの多くを占める住宅費が都会よりも安く、生活費を抑えて暮らしを楽しめる。自由に使えるお金が増えれば、より安心で楽しいセカンドライフを送れることでしょう。

新しい趣味やつながりが生まれる

住む場所を変えると、周りの環境や人も変わっていきます。

例えば、自然豊かな地域に移住すると、農業を始めたり、アウトドアを楽しんだりするなど、今までできなかった暮らしや趣味に触れることができる。

その地域に住む人と積極的に関わると、新しい友人や人脈ができます。セカンドライフを共に過ごす仲間が見つかったり、新たなチャレンジへのつながりができたりすれば、より人生が充実することでしょう。

高齢者・シニア歓迎の移住先5選!支援制度が充実している自治体は?

移住先によって環境や支援制度が変わるため、高齢者・シニア層を歓迎している場所を選ぶのがおすすめ。ここでは、おすすめの移住先を紹介する。

【北海道帯広市】豊かな自然と充実した医療体制

北海道の東部に位置する帯広市は、雄大な十勝平野に抱かれた自然豊かな都市です。冬の寒さは厳しいものの、都市機能と自然環境がバランス良く整っており、生活の利便性が高いのが魅力です。

帯広市の魅力は、野菜や乳製品などの地元食材が豊富で、新鮮でおいしい食事が楽しめること。食費も安く済み、健康的な生活にぴったりです。また、土地が広いため、ゆったりとした一戸建てや菜園付きの住宅も多く、家庭菜園やガーデニングを楽しみたい人にも最適です。

医療体制: 地域の基幹病院である「帯広厚生病院」をはじめ、総合的な医療機関が充実しており、緊急時の対応にも安心感があります。

「帯広市シニア活動支援センター」: 高齢者の生きがいづくりや社会参加を促進するための拠点。趣味の講座やサークル活動を支援し、地域での交流の場を提供しています。

除雪・交通支援: 積雪地域特有の不安を解消するため、高齢者世帯向けの除雪支援制度や、公共交通機関の利用を促す優遇制度が整備されています。

【静岡県浜松市】温暖な気候と高齢者見守りネットワーク

温暖な気候に恵まれ、一年を通じて過ごしやすいのが最大のメリット。政令指定都市として都市機能が充実している一方で、天竜川や浜名湖といった自然も身近にあります。

「高齢者見守りネットワーク」: 地域の自治会や民生委員、各種事業者と連携し、高齢者の安否確認や異変を早期に発見するための地域密着型の見守りシステムが構築されています。

高齢者向け施設: 市内に介護施設や医療機関がバランスよく配置されており、要介護状態になっても適切なサービスを受けやすい環境です。

「はままつシニアカレッジ」: 高齢者を対象とした学習機会を提供し、地域活動への参加や社会貢献を支援することで、移住後の孤立を防ぐ取り組みが積極的に行われています。

岡山県倉敷市:歴史と文化、安心の介護基盤

白壁の町並みが美しい倉敷美観地区で知られ、歴史と文化が息づく地域です。瀬戸内海式気候で災害が比較的少なく、暮らしやすい気候も魅力です。

また、交通インフラも発達していて、新幹線の停車駅が近くにあるため、県外との行き来もスムーズ。東京や大阪に住む家族との距離も保ちやすい点もポイントです。物価も比較的安定しており、住宅価格も手頃。持ち家を手に入れたい人にもおすすめです。

在宅介護支援の充実: 訪問介護やデイサービスなどの在宅サービス事業所が多く、高齢者が住み慣れた自宅で安心して生活を継続できるための支援体制が手厚いのが特徴です。

地域包括支援センターの機能強化: 介護相談だけでなく、健康維持、権利擁護など、高齢者に関するあらゆる相談に一元的に対応する体制が整備されています。

交通利便性: 瀬戸内海の玄関口として交通の便が良く、JRや高速道路網が整っているため、通院や外出のストレスが少ない点もメリットです。

兵庫県三田市:都会の利便性と豊かな自然の共存

大阪や神戸へのアクセスが良い「ニュータウン」として発展し、比較的若い世代が多く移住していますが、高齢者向けの環境整備も進んでいます。自然豊かな環境でありながら、生活に必要なインフラが整っています。

「健康づくり」への注力: 高齢者向けの体操教室やウォーキングイベントなど、病気の予防や健康寿命の延伸を目的としたプログラムが豊富に用意されています。

新旧住民の交流支援: 移住者が地域に溶け込みやすいよう、自治会や地域団体による交流イベントやボランティア活動への参加を促す支援が行われています。

医療機関の連携強化: 市内の病院や診療所が連携し、スムーズな紹介や情報共有を行うことで、高齢者が切れ目のない医療を受けられる体制を構築しています。

福岡県北九州市:生活コストの低さと大規模な医療機関

九州の玄関口として発展した歴史を持ち、物価や家賃などの生活コストが比較的低いのが魅力です。都市機能がコンパクトにまとまっており、生活しやすい環境です。

「大規模な医療圏」: 九州でも有数の大規模病院や専門性の高いクリニックが集積しており、高度な医療を身近に受けられる安心感があります。

コミュニティ交通: 高齢者でも利用しやすいように、地域内の移動をサポートするオンデマンド交通や、バス路線の整備に力を入れています。

「元気高齢者活躍支援」: シルバー人材センターや高齢者向けの就労相談窓口を充実させ、社会との繋がりを保ちたい、働きたいという意欲のあるシニアを積極的にサポートしています。

高齢者・シニアの移住で気を付けたい注意点

セカンドライフを過ごす地域を選ぶうえで、知名度だけで選んだり、娯楽だけを重視したりすると、失敗する可能性がありますので以下の点には十分注意しましょう。

移住先をしっかり調べないと失敗しやすい

年齢を問わず移住は暮らしの選択肢になっており、注目を集めている。人気の移住先が紹介されることも多いが、知名度や特集の印象などで決めてしまうと、移住に失敗しやすい傾向にあります。

旅行で行ったことがある好きな場所というのも、移住先選びで一番失敗しやすい注意点です。
魅力的なスポットや景色があるエリアでも、交通機関が少なかったり、医療機関が限られたりすることもあります。
また、旅行で訪れた経験があったとしても、長く過ごすうえでは気候が厳しいこともあるので年中を通して生活できるかを考えておきましょう。

そのため、勢いで決めるのではなく、慎重に調べることが大事です。交通機関や主な施設、気候、産業など、幅広く情報収集をしましょう。自治体によってはお試し移住を受け付けているため、短期間で実際に住んでみるのもおすすめですよ。

積極的に行動しないと孤独になりやすい

移住先には、既に長く住んでいる人がいて既に関係が築かれていることがほとんど。そのため、地域に馴染み、新しいつながりをつくるためには、積極的に行動する必要があります。
受け身の姿勢では、地域に馴染めずに孤独感を抱く可能性があるので、コミュニケーションが苦手な方は、移住者と地域住民の交流の場を設けている自治体を利用しましょう。

コミュニティを活用することで、徐々につながりが生まれていきますよ。

万が一に備えて医療・福祉面を重視する

趣味や仕事、暮らしやすさなどに目が向きがちだが、医療・福祉面を重視するのが安心です。
健康な身体があっての生活や趣味であり、サポートが充実していないと移住先での暮らしが続けられなくなるかもしれない可能性があります。

医療・福祉施設がどのくらいあるか、どのような制度・サポートがあるかを必ず確認し、いざというときに備えましょう。

まとめ

本格的な移住の前に、各自治体が提供する「お試し移住」や「短期滞在プログラム」を利用し、医療機関や生活環境、地域の雰囲気を実際に体験することが、不安解消への最も確実な一歩となります。

ご紹介した5選を参考に、ご自身の健康状態やライフスタイル、求める支援レベルに合った地域を見つけて、安心で充実したセカンドライフを実現してください。


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