金(ゴールド)価格高騰! 今から買っても間に合う? ポートフォリオへの組み入れ方

「ニュースを見るたびに、金(ゴールド)の価格が最高値を更新している」 「数年前は1グラム5,000円だったのに、今は1万数千円……。あの時買っておけばよかった」

連日のように報道される「金価格の高騰」。 これを見て、「今から買うのは、さすがに『高値掴み』になるんじゃないか?」と躊躇している方は非常に多いです。

投資のセオリーでは「安く買って高く売る」のが鉄則。 しかし、金(ゴールド)という資産に関しては、「最高値だから買ってはいけない」という常識は当てはまりません。

なぜなら、金は「儲けるためのギャンブル」ではなく、あなたの資産をインフレや通貨安から守る「最強の保険」だからです。

この記事では、なぜ今ゴールドが買われているのかという根本理由を解説し、高値圏にある今からでも資産を守るためにどう金を組み入れるべきか、その具体的な戦略と「黄金比率」をお伝えします。

1. なぜこれほど上がっている? 一過性のブームではない理由

まず、「なぜ上がっているのか」を知れば、「今からでも遅くない」理由が見えてきます。 今回の金価格上昇は、単なる一時的なブームではなく、世界のお金の構造が変わる「地殻変動」が起きているからです。

主な要因は以下の3つです。

要因①:「有事の金」地政学リスクの常態化

ウクライナ情勢や中東情勢など、世界は不安定さを増しています。 戦争や紛争が起きると、紙切れ(紙幣)や電子データ(株)の価値は揺らぎますが、現物資産である金の価値は揺るぎません。世界中の富裕層が「とりあえず金を確保しよう」と動いています。

要因②:中央銀行による「脱ドル」の動き

これが最も大きな要因です。 中国や新興国の中央銀行が、米ドル(米国債)を持つリスクを嫌い、外貨準備として「金」を猛烈な勢いで買い集めています。 国レベルでの「爆買い」が続いているため、価格が下がりにくくなっているのです。

要因③:通貨(円)の価値下落

私たち日本人にとって一番深刻なのはこれです。 ドル建ての金価格が横ばいでも、「円安」が進めば、日本国内の金価格(円建て)は自動的に上がります。 つまり、金が上がっているというよりは、「円の価値が下がっているから、相対的に金が高く見えている」側面が強いのです。


2. 今から買っても「遅くない」と言える根拠

「もう最高値だから、これ以上上がらないのでは?」 そう思うかもしれませんが、もし今後、以下のシナリオが進めば、金価格はさらに上昇する可能性があります。

  1. インフレが止まらない場合: モノの値段が上がれば、実物資産である金の値段も上がります。

  2. さらに円安が進んだ場合: 1ドル160円、170円となれば、円建ての金価格は最高値を更新し続けます。

逆に言えば、金を持っていないこと(日本円だけで持っていること)自体が、これからの時代はリスクになり得るのです。

金を買う目的は、「短期間で2倍に増やして儲けること」ではありません。 「円の価値が半分になっても、資産の価値を保つこと(購買力の維持)」。 この「守り」の目的であれば、いつ始めても遅すぎるということはありません。


3. ポートフォリオへの正しい組み入れ方「黄金の5〜10%」

では、退職金や預金を全額「金」に変えればいいのでしょうか? それは絶対にNGです。

金には、株式や債券にはない、たった一つの、しかし致命的な弱点があります。 それは、「金自体は何も生まない(利息も配当もない)」ということです。

株は配当を生み、債券は利息を生みます。しかし、金は100年持っていても1グラムは1グラムのまま。きらきら輝くだけで、チャリンとも言いません。 そのため、資産の大部分を金にしてしまうと、資産が増えるスピード(運用効率)が落ちてしまいます。

目指すべき「黄金比率」

プロの投資家が推奨する、ポートフォリオにおける金の比率は「5% 〜 10%」です。

  • 株式・債券(攻めと守り): 90% 〜 95%

  • 金(保険): 5% 〜 10%

この「隠し味」のような1割が、株式市場が暴落した時や、日本円が急落した時に、ポートフォリオ全体のダメージを軽減するクッション(アンカー)の役割を果たします。


4. あなたはどれ? 3つの購入方法とメリット・デメリット

「金を買う」といっても、延べ棒を買うだけが方法ではありません。 目的に合わせて、ベストな買い方を選びましょう。

方法①:投資信託(ゴールドファンド)

【初心者・新NISA派におすすめ】 金を対象とした投資信託を、ネット証券などで購入する方法です。

  • メリット: 100円から買える。新NISA(成長投資枠)が使えるので、利益が非課税になる。

  • デメリット: 信託報酬(管理手数料)がかかる。手元に「現物」は来ない。

  • 結論: 資産形成の一部として気軽に持ちたいなら、これが正解です。

方法②:純金積立(田中貴金属など)

【コツコツ派におすすめ】 毎月3,000円など決まった額を引き落とし、少しずつ金を買い付ける方法です。

  • メリット: ドル・コスト平均法で高値掴みを防げる。一定量貯まれば「現物(延べ棒やコイン)」として引き出せる楽しみがある。

  • デメリット: 購入手数料やスプレッド(売買価格差)がやや割高。

  • 結論: 「将来、金の延べ棒を手にしてみたい」というロマンがある方に。

方法③:金ETF(上場投資信託)

【投資中級者におすすめ】 株式と同じように、リアルタイムの価格で市場で売買する方法です。

  • メリット: 手数料(経費率)が最も安い。「金価格連動型上場投資信託(1328)」などが有名。

  • デメリット: 株式売買の知識が必要。

  • 結論: コストを極限まで抑えたい、まとまった資金を入れたい方に。


5. 「現物(延べ棒・コイン)」は必要か?

「やっぱり金といえば、自宅の金庫にある延べ棒でしょう!」 そう考えるシニアの方も多いですが、資産運用の観点からは「現物保有」はあまりおすすめしません。

  1. 手数料が高い: 買う時と売る時に手数料(スプレッド)が取られます。

  2. 盗難リスク: 自宅に置いておくと、空き巣の心配が増えます。

  3. 管理コスト: 銀行の貸金庫を借りれば、年間数万円の手数料がかかります。

「何かあった時に持ち出せる安心感」は代えがたいものですが、資産の1割程度であれば、管理が楽で流動性が高い「投資信託」や「ETF」で十分役割を果たせます。


まとめ:金は「儲けるため」ではなく「守るため」に持つ

「金価格が高騰!」というニュースを見ると、つい「儲かりそうだから買いたい」という欲が出ます。 しかし、ここまで読んでいただいたあなたなら、その考えが少しズレていることに気づくはずです。

  • 金は、インフレで現金の価値が目減りするのを防ぐ「盾」です。

  • 金は、株価暴落時に資産全体の下落を和らげる「クッション」です。

今から買っても間に合うか? 答えは「YES」です。 これからの不透明な時代、あなたの資産を守るために「盾」を持つのに、遅すぎるということはありません。

まずは資産全体の5%を目指して。 毎月の積立に、少しだけ「ゴールド色のスパイス」を加えてみてはいかがでしょうか。

本記事の内容は、原則、記事執筆日時点の法令・制度等に基づき作成されています。最新の法令等につきましては、弁護士や司法書士、行政書士、税理士などの専門家等にご確認ください。なお、万が一記事により損害が生じた場合、弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。

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