【節税】不動産投資は老後も有効か? 安定収入を得る「ワンルーム」物件の選び方
「老後の年金だけでは不安だ」「相続税対策にもなるらしい」 そんな理由から、不動産投資、特に手軽に始められる「ワンルームマンション投資」に興味を持つシニア世代が増えています。
しかし、営業マンの甘い言葉に乗せられて、「節税になるから」と安易に物件を購入し、老後の大切な資金を溶かしてしまうケースが後を絶ちません。
結論から申し上げます。 老後において、「節税」を主目的にした不動産投資はおすすめできません。 しかし、「安定収入(インカムゲイン)」を目的とした投資であれば、非常に有効な手段となり得ます。
この記事では、多くの人が誤解している「不動産投資と節税」のカラクリと、老後の生活を豊かにするための「勝てるワンルーム物件」の選び方を、忖度なしで徹底解説します。
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1. 警告:「節税」は現役時代の特権である
不動産会社の営業マンは必ずこう言います。「マンションを買えば、赤字分を給与所得と相殺して、税金が戻ってきますよ(損益通算)」と。
これは嘘ではありませんが、リタイア後のシニアには当てはまらないことがほとんどです。
なぜ老後に「節税」は効かないのか?
不動産投資の節税効果とは、建物の「減価償却費」などの経費を計上して会計上の赤字を作り、それを「高い給与所得」から差し引くことで、払いすぎた所得税を取り戻す仕組みです。
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現役時代(高年収): 税率が高いため、所得を圧縮する節税メリットが大きい。
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老後(年金生活): 現役時代に比べて所得が低く、税率も低い。そもそも取り戻すべき税金が少ないため、節税効果はほとんどありません。
老後の不動産投資で重要なのは、「税金を減らすこと」ではなく、「毎月確実に現金(家賃)が入ってくること」です。目的を「節税」から「収益(キャッシュフロー)」に切り替えなければ、失敗します。
2. なぜファミリー向けではなく「ワンルーム」なのか?
老後の資産運用として、一棟アパートやファミリータイプではなく、あえて「ワンルーム(区分マンション)」をおすすめするのには、明確な理由があります。
① 管理の手間が少ない
一棟アパートの場合、建物の清掃や修繕、ゴミ出しの管理など、大家の仕事は多岐にわたります。高齢になってからのこの労働は大きな負担です。 一方、区分ワンルームなら、建物管理は管理会社(管理組合)が行うため、基本的に「ほったらかし」で済みます。
② 流動性が高い(売りやすい)
「老人ホームの入居一時金が必要になった」など、まとまった現金が必要になった時、数千万円〜億単位の一棟アパートは買い手がつきにくく、売却に時間がかかります。 都心のワンルームなら、数百万〜2,000万円程度と価格帯が手頃で、投資用としての需要も常にあり、比較的すぐに現金化できます。
③ リスク分散ができる
例えば2,000万円で一棟アパートを買うより、1,000万円のワンルームを「東京」と「大阪」に1つずつ持つ方が安全です。片方が空室になっても、もう片方の家賃が入ってくるからです。
3. 失敗しない! 「勝てるワンルーム」選びの5大原則
では、具体的にどのような物件を選べば、老後の安定収入源になるのでしょうか。見るべきポイントは「自分が住みたいか」ではありません。「賃貸需要が途切れないか」です。
原則①:エリアは「東京23区」が鉄板
日本の人口は減少していますが、東京への人口流入は続いています。 特に単身者(ワンルームの需要層)は、通勤・通学の利便性を最優先します。「地方の利回り10%」より「東京の利回り4%」の方が、空室リスクが圧倒的に低く、老後の安定収入には向いています。
原則②:駅徒歩「7分以内」を死守
単身者は駅からの距離にシビアです。10分を超えると検索候補から外れる確率が跳ね上がります。**「駅徒歩5分〜7分以内」**は、空室期間を短くするための生命線です。
原則③:「新築」ではなく「中古」を狙う
これが最も重要です。
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新築: デベロッパーの利益や広告宣伝費が上乗せされており、購入した瞬間に価格が2〜3割下がります(新築プレミアム)。家賃に対して物件価格が高すぎるため、利回りが低くなります。
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中古: 築10年〜20年程度の中古物件は、価格の下落が落ち着いており、家賃も安定しています。投資効率(利回り)が良いのは圧倒的に中古です。
原則④:管理状態が良いか(修繕積立金を確認)
マンションは管理を買えと言われます。
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エントランスやゴミ置き場は綺麗か?
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「修繕積立金」は十分に溜まっているか?
重要事項調査報告書を確認し、修繕積立金が極端に不足している物件は避けましょう。将来、一時金を請求され、収支がマイナスになる恐れがあります。
原則⑤:「サブリース契約」には手を出さない
「30年間家賃保証します」というサブリース(一括借り上げ)。一見安心に見えますが、「家賃の減額はいつでもできる」「解約できない」という大家に不利な契約になっていることが大半です。 立地の良い物件なら、サブリースなどなくても入居者は決まります。自分の手で管理会社を選べる「一般管理契約」を選びましょう。
4. 老後の投資ならではの「出口戦略」
若いうちの投資と違い、シニアの投資は「終わらせ方(出口)」を考えておく必要があります。
相続対策としての活用
現金で2,000万円持っているより、2,000万円の不動産で持っている方が、相続税評価額は約3分の1〜4分の1に圧縮されます。 都心の好立地ワンルームなら、相続した子供も「家賃をもらい続ける」か「売って現金化するか」を選べるため、喜ばれる資産(負動産にならない)となります。
認知症リスクへの備え
認知症になり判断能力が低下すると、不動産の売買契約ができなくなります。 大規模修繕や売却のタイミングで凍結してしまうリスクを防ぐため、「家族信託」などを活用し、元気なうちに管理権限を子供に移しておくことも検討しましょう。
まとめ:不動産は「事業」である
老後の不動産投資は、節税のための魔法の杖ではありません。 しかし、堅実なエリアの「中古ワンルーム」を選び、適切な管理を行えば、年金にプラスして毎月数万円〜十数万円の「じぶん年金」を生み出してくれる頼もしいパートナーになります。
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節税目的で買わない(新築は避ける)。
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都心・駅近・中古のワンルームに絞る。
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サブリース契約は避ける。
この3つを守るだけで、大怪我をするリスクは劇的に減ります。 甘い営業トークに惑わされず、「自分がアパート経営という事業を行うんだ」という経営者目線を持って、物件を選定してください。
