独身のまま老後を迎える場合はどんな保険がおすすめ?

独身のままシニア世代に突入するという方は抱えているリスクに応じた備えが必要です。独身なら保険はいらないという人もいますが、そんなことはありません。

この記事では、シニア世代の独身の方におすすめな保険について解説します。

独身のシニアイメージ

シニア世代が抱えるリスク

男女問わず50歳を超えると高まるリスクがあるのはもちろん、独身であるがゆえに高まるリスクにも対峙しなければなりません。
ここでは老後に高まるリスク、独身であるがゆえに高まるリスクなどそれぞれ具体的にどのようなリスクがあるのかを見ていきましょう。

生活習慣病のリスク

生活習慣病とは、生活習慣が発病や進行に深く関係する病気のことです。
病気につながる生活習慣としては、偏った食事や運動不足、喫煙、過度の飲酒、睡眠不足、過度のストレスなどがあります。
具体的な病名を挙げると、高血圧、脂質異常症、糖尿病などが生活習慣病の代表格です。
独身者の生活習慣病リスクは、特に男性において、既婚者に比べて高い傾向があります。

がんのリスク

国立がん研究センターの調査では、がんの罹患率・死亡率ともに、男女とも50~80歳で増加傾向にあります。男性では、40歳以上で消化器系のがんの罹患率が増えますが、70歳以上では前立腺がんと肺がんの割合が増加します。

50代以降は、それまでがんと診断されていない人でも、がんに罹患するリスクが高まるということになります。
がんには高額な治療費がかかるため、備えが必要なリスクの1つと考えてよいでしょう。

働けなくなるリスク

ケガ・病気または精神的な疾患により、働けなくなるリスクも存在します。
公的医療保険に加入している場合、疾病または負傷により4日以上就業不能かつ給与の支払いがない場合「傷病手当金」を受給できます。

ただし、最長支給期間は1年半で、給料のおよそ2/3程度のため、貯蓄や保険への加入で備えておく必要があるでしょう。

シニア世代の独身の方が選ぶ保険のポイント

病気やケガに備える

独身・既婚に関わらず、病気やケガのリスクは誰にでもあります。公的医療保険に加入していれば、自己負担3割制度と高額療養費制度で、大半の医療費負担を軽減できますが、女性などは、特に将来の出産に備えて、医療保険に入っておくのも選択肢の一つです。

がん保険

がん保険は医療保険に似ていますが、「がん通院給付金」「がん先進医療特約」など、ガンに特化したさまざまな保障を受けられます。幅広い病気やケガに備えたい場合は医療保険にがん特約を付け、がん家系などでガンになるリスクの高い方は、がん保険でがんの保障を手厚くしましょう。

働けなくなった場合に備える

骨折や精神疾患などで長期入院を余儀なくされるリスクもあります。公的医療保険に加入していれば、「傷病手当金」を受給できますが、これは最長支給期間は1年半で、給料のおよそ2/3程度です。ただし、個人事業主やフリーランス等の人は傷病手当金の支給対象外のため、所得補償保険、就業不能保険などで備えておく必要があります。

シニア世代の独身の方がそなえておきたい保険

死亡保険

死亡保険は、被保険者が死亡または所定の高度障害となったとき、遺族にまとまった死亡保険金が支払われます。
独身の方が亡くなったとき、両親がいる場合は両親がすべての相続財産を相続します。また、両親がすでに他界していて、兄弟姉妹がいる場合には兄弟姉妹が相続します。

ただし、現在、親や兄弟を養っていて、自分が亡くなったときに生活費をのこしたい方や、自分が亡くなったあとに兄弟姉妹に税金(相続税)の負担をさせたくない方は、葬儀費用に加えて親や兄弟の生活資金や相続対策資金も確保しておく必要があります。

医療保険

医療保険は、少ない掛け金で病気やケガでの入院、手術などのリスクに幅広く備えられる保険です。60代は、一気に病気のリスクも高まってきます。ただし、昨今の医療技術の進歩によって、一度、大きな病気にかかったとしても長生きもかなえられる時代です。医療費で大切な貯蓄を切り崩さなくてもいいように、医療保険へお守りとして加入しておくと安心です。

がん保険

がん保険は、高額な治療費や治療中の収入減をカバーできる保険です。一般的な病気やケガでの入院や手術に備える医療保険とは違い、がんの治療のみに特化した保険です。がんの治療は、公的医療保険が適用される保険診療に加えて、先進医療や自由診療など全額が自己負担となる高額な治療もあります。もしも保険診療で期待する結果が得られない状況でも、がん保険があればお金の問題で治療を断念することがないよう経済的に支えてもらえます。

所得補償保険

所得補償保険とは、損害保険会社が販売する保険商品で、病気やケガなどを原因として収入が減少したり、ゼロになった場合にその不足分を補填してくれる保険のこと。年収の40~70%程度が補填され、所定の間、毎月一定額を受け取ることができます。

まとめ

シニア世代の独身の方は、突然病気になってしまったときや、介護が必要になったときのことも考えておかなければなりません。そのため、掛け捨てタイプの死亡保険で大きな備えで確保するのではなく、ご自身が生きている間の病気や介護への備えを目的として、なるべく終身タイプの保険で必要保障額を確保するのが望ましいでしょう。

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