40代から老後資金を貯める方法とは?
高齢化社会が進む中、「40代から老後の資金づくりを本格的に始めたい」という人は少なくありません。
しかしながら40代は生活費に加えて、住宅ローンの返済、子どもがいる世帯では学校や習いごとにかかる教育費、各種保険料など、出費の多さに悩んでいる人が多い傾向にあります。
本記事では、40代から始められる老後資金の貯め方や目標金額を決めるときのポイントなどをわかりやすく解説します。
40代が老後資金を貯めるためにまずすべきこと
40代が老後資金を貯めるためにすべきこと、心掛けておくべきことをあげてみました。以下の内容を確認し、老後に向けて準備をしやすくしましょう。
老後の生活費を考える
まずは、現在の生活費をもとに老後の生活費を予想してみましょう。老後生活におけるひと月あたりの予想生活費から、年金の受給見込額を差し引いて毎月の不足額を把握することで、目標とする老後資金額を求めやすくなります。
また、旅行を始めとした趣味を楽しむための費用や、近所づきあいの交際費などが発生するかもしれません。老後の暮らしをイメージし、理想とする生活を送るために毎月いくらの生活費が必要になるのかを、一度じっくり考えてみると良いでしょう。
保険などの固定費の見直し
毎月、あるいは毎年支払う固定費の見直しにより、支出を効果的に減らすことができます。見直しの対象となる固定費は、以下のようなものが挙げられます。
- 保険代
- 通信費
- サブスク
- 新聞代
固定費の中でも見直し効果が大きいのは、支払う金額が比較的大きい保険料です。以下のポイントを意識しながら、不要な保険に加入していないかを精査しましょう。
- 重複する内容の保険に入っていないか
- 付き合いなどで加入した不要な保険はないか
- 家族構成の変更などで不要になった保険はないか
年金や退職金をいくら受け取れるのかを考える
定年退職を迎えて老後生活に入ったあとは、主な収入源が国からの年金となるのが一般的です。また、定年退職時に勤務先から支給される退職金も、老後生活における貴重な資金源となります。そのため、老後の資金計画を立てるときは、年金受給額や退職金支給額の見込みを確認しておくと良いでしょう。
老齢年金の受給見込額は、年に1度、誕生月に自宅に送付される「ねんきん定期便」で確認する方法があります。
目標積立金額を考える
例えばご夫婦で65歳以降の生活費を月36万円希望するとします。老後の主な収入は公的年金と想定し年金収入はお2人で月22万円とします。このような生活を希望する場合、毎月14万円の不足額がでてきますので、この不足額を年金以外の手段でカバーする必要がでてきます。年間では168万円の不足です。何歳までの期間を考えるのかによって金額は大きく変わってくるのですが、今回は85歳までで計算してみましょう。168万円が85歳までの20年分欲しいのですから、168万円×20年=3360万円になります。
次に退職時の金融資産額をイメージしてみます。今は貯蓄ゼロですが、退職金が1500万円もらえるとしましょう。
仮に85歳までの不足分3360万円を今から準備しておきたいと考える場合、3360万円から退職金1500万円を引いた1860万円がこれから目指すべき貯蓄目標額になります。
とはいえ、実際にはお金に関する専門的な知識がないと必要額を正確に計算するのは困難です。そこで、老後の目標資金額を決めるときはファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。
40代からはじめる老後資金の準備
次の項では、実際に老後資金を増やすために、今すぐにでもはじめられる方法をいくつか紹介します。
iDeCo(個人型確定拠出年金)を利用する
iDeCoは、税制優遇を受けながら積み立てで資産を運用する制度です。
掛金は所得控除の対象となるため所得税・住民税が軽減されるメリットがあり、さらに運用収益も非課税です。
元本と収益の合計を年金として受け取るほか、一時金としてまとめて受け取ることも可能です。ただし、原則60歳までは引き出すことができないため注意が必要です。
また、iDeCoでは自分で投資商品を選んで運用しますが、選んだ商品の運用結果によっては元本割れの可能性もあります。加入する前に、商品の知識は得ておくようにしましょう。
NISA(少額投資非課税制度)を利用する
NISA(少額投資非課税制度)は少額から投資ができて、得た利益に対して税金がかからない制度です。2024年から新しくなった制度により、1,800万円までの投資が非課税となったことに加え、非課税保有期間も有期から無期限に変わりました。
基本的には長期の運用でリターンを得ることが前提ですが、運用商品を売却すれば資金をいつでも引き出すことができます。ただし手続きには数日かかり、即日現金化できるわけではないので注意しましょう。
国民年金の追納や付加保険料の納付を行う
過去に年金の未納があれば、将来の受け取り額が減ってしまいます。追納できる期限内に忘れず納付するようにしましょう。
免除や減免、特例の措置を受けた場合も、同様に追納すれば年金を増やすことができます。
国民年金第1号被保険者であれば、国民年金の付加保険料の納付でも将来の年金を増額できます。
付加保険料は、通常の定額保険料に月額400円を上乗せして支払います。この付加年金額は、200円×付加保険料を納めた月数で計算されます。また、前納による割引もあります。
まとめ
40代から始められる老後資金の貯め方には、預貯金や生命保険(個人年金保険・終身保険)、iDeCo、つみたてNISAがあります。
老後資金を貯める場合、まずは現在の生活費をもとに老後の生活費がいくらかかるのかを予想してみましょう。その後、国からの年金や退職金をいくら受け取れるのかを確認し、目標とする資金額を決めることが大切です。
老後資金の準備を検討している人は、ファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。将来的に必要となる老後資金額をシミュレーションしてもらえるだけでなく、適していると考えられる貯め方も提案してもらえます。