リスクは抑えたいけど増やしたい!堅実派シニアのための資産運用ガイド
「人生100年時代」と言われる昨今では、60歳で仕事を定年したとして、老後の期間はおよそ40年。自分の時間がたっぷり使えるようになったとしても「年金だけで生活を続けるのは難しそう」と思う方は少なくありません。
リタイア後は現役時代より収入が減り支出のほうが大きくなることが一般的なため、資産運用によって「資産が減るスピードを遅らせる」ことが大切になってきます。
本記事ではなるべくリスクを減らして着実に資産をしたいシニアの方に向けた運用方法を解説します。
資産運用のメリット
資産運用では、いくつかのメリットを得られます。複利効果や不労所得となる点など、資産運用のメリットをいくつかご紹介します。
複利効果を得られる
複利は運用益と元本を合計した金額に対する、利回りを計算する方法です。複利効果は運用で得た利益を再び投資し、利益が利益を生んでいく効果を指します。資産運用の中で得た利益を、投資に再び回すとさらに利益が増え、長い期間投資を行うと資産が雪だるま式に増えていきます。
配当金や分配金を得られる
資産運用の大きなメリットの一つは、配当金や分配金を得られる可能性があることです。配当金、分配金とは、株価や基準価額の値動きによらず受取れる収入のことを指します。
例えば、株式投資を行った場合、投資する企業によっては配当金が受取れます。仮に配当利回りが3%の株式に100万円投資すれば、年間3万円の配当金を受取ることが可能です(税引前)。
資産運用のデメリット
資産運用は、資産を増やせる可能性がある一方で、リスクも伴います。ここからは投資初心者が知っておくべきデメリットについて解説します。
元本割れを起こすリスクがあるものがある
株式や投資信託などの金融商品で資産運用を行う際、市場の価格変動により投資した元本を下回る可能性があります。例えば、100万円で購入した株式が、市場の影響で100万円未満に下落した場合、投資元本割れが発生したことになります。
一方で、預貯金は元本が保証されているため、元本割れのリスクはありません。ただしその分、期待されるリターンは低くなる傾向にあります。資産運用では、リスクとリターンのバランスを考慮し、自身の資産状況や運用目的に合わせた金融商品を選択することが重要です。
短期的な効果は得づらい
資産運用のデメリットとして、短期的な効果を得にくいことも挙げられます。短期間で高いリターンを得ようとすれば、それだけリスクも高くなる傾向があります。
リスクを抑えながら着実に資産を増やすためには、長期的な視点で資産運用を行うのがよいでしょう。資産運用で元本割れを起こすリスクを軽減するには、長期投資を心掛けて複利効果を活かすことが重要です。
シニアにおすすめの資産運用
シニアの資産運用では、高いリターンを追い求めるよりも、「資産を守りながら着実に増やす」ことが大切です。
ここでいう「資産を守る」とは、単に元本を維持することだけでなく、資産の「実質的な価値」を減らさないことを意味します。
以降では資産運用においておすすめの方法について、リスクを抑えながらも、資産を守りつつ増やしていく方法を中心に解説します。
NISAで積立投資
NISA(少額投資非課税制度)を活用した積立投資は、老後の資産運用にも有効な手段です。
NISAでは、投資によって得られた売却益や配当金が非課税になるため、税負担を抑えながら効率的な運用が可能です。さらに、積立投資を活用すれば「ドル・コスト平均法」により、高値掴みのリスクを軽減することができます。
退職金の一部を債券に一括投資
職金の運用先として、債券への一括投資は選択肢の一つです。債券は、株式と比較して価格の変動が小さく、安定性の高い低リスク資産とされています。
債券の魅力は、定期的に利子が得られる点と、満期時には原則として額面金額が返還される点です。計画的に資金を管理したいシニア世代にとって、非常に扱いやすい資産といえます。
また、国内債券だけでなく、米国など金利水準の高い国の外国債券に目を向けることで、インフレ率を上回るリターンが期待できる点も魅力です。ただし、為替リスクには注意が必要です。
まとめ
老後資金を増やすために資産運用は非常に有効な方法ですが、同時に資産防衛のための対策も欠かせません。
運用する際には、リスク管理を徹底し、無理のない範囲での投資が大切です。
投資先の分散や長期的な視点を持つと、リスクを抑えつつ着実に資産を増やせるでしょう。
資産運用と資産防衛のバランスを取ると、安心して老後を迎える準備ができます。