老後資金の積み立てと子供の教育費どちらを優先するべき?

子供がいる家庭にとっては夫婦の老後資金と子供の教育資金はどちらも重要なライフイベントですが限られた収入の中でどちらを優先すべきか迷う方も多いでしょう。

今回の記事では、それぞれの費用の目安や考え方、バランスの取り方について詳しく解説します。

教育資金のイメージ画像

老後資金・子供の教育資金それぞれどのくらいかかる?

子どもの教育費の目安

子どもの教育費は公立・私立など進学先によって大きく変わります。以下のデータを参考にしてください。

教育課程 公立 私立
幼稚園(3年間) 約70万円 約160万円
小学校(6年間) 約200万円 約900万円
中学校(3年間) 約150万円 約420万円
高校(3年間) 約150万円 約290万円
大学(4年間) 約250万円(国公立) 約500万〜800万円(私立)

子ども一人を大学卒業まで育てるのにかかる教育費の平均予想額は1489万円で、調査開始以来最高額となりました。これには授業料や教材費だけでなく、受験費用や通学費用など、さまざまな費用が含まれます。

老後資金の目安

近年の老後資金の目安は、退職後30年間生活すると仮定した場合、生活水準や家族構成によって大きく異なりますが、一般的に夫婦で2000万円~3000万円程度、独身の方で1000万円~2000万円程度が目安とされています。ただし、これはあくまで一般的な目安であり、個々の状況によって必要となる金額は大きく変動します。

教育費と老後資金、どちらを優先すべきか?

基本的には老後資金を優先

  • 教育費は奨学金や助成金など、外部からの支援を活用できる
  • 老後資金は自分で準備しないと、誰も助けてくれない

教育費の準備も重要ですが、老後資金が足りなくなると、最悪の場合「生活保護」や「子どもに負担をかける」リスクが生じます。

教育費の準備は計画的に

教育資金は予め準備をしておくことが大事です。例えば以下のようなものを活用して計画的に準備していきましょう。

  • 学資保険を活用
  • つみたてNISAやiDeCoを活用
  • 奨学金制度の活用

特に一番費用がかさむ大学費用は奨学金や教育ローンを上手に活用することで、教育資金の負担を軽減できます。また、自治体や国の補助制度も積極的に利用することが大切です。

学資保険を活用

学資保険は毎月一定額の保険料を支払い、子どもの入学時や進学時などに満期保険金や祝い金などのまとまったお金を受け取る、貯蓄型の保険のことです。

積立貯金や投資などで資産形成をする場合、契約者にもしものことがあった場合に中断するリスクがあります。しかし一般的な学資保険は、契約者が死亡したり高度障害状態になったりして支払い不能になると、月々の支払いが免除される「払込免除特約」がついていることが特徴です。

つみたてNISAやiDeCoを活用

教育資金の準備に、つみたてNISAとiDeCoを併用することは有効な手段です。iDeCoは所得控除による節税効果が大きく、その節税分を上乗せしてつみたてNISAで運用することで、効率的に教育資金を準備できます。特に、所得が高い方はiDeCoの節税効果を最大限に活かし、つみたてNISAでより多くの資金を運用できるため、効果を実感しやすいでしょう。

奨学金制度の利用

教育資金を準備する上で、奨学金制度は非常に有効な手段です。奨学金には、返済が必要な貸与型と、返済不要の給付型があります。どちらのタイプも、学費だけでなく、生活費や教材費など、進学に必要な費用に充当することが可能です。特に、高等教育の修学支援新制度のように、授業料減免や給付型奨学金の拡充など、国による支援も充実してきています。

まとめ

教育資金と老後資金のどちらも重要であり、どちらか一方に偏った計画は将来のリスクを増大させる可能性があります。そのため、家庭の状況やライフステージに応じた計画を立てることが不可欠です。

特に老後資金は教育資金に比べて代替手段が少ないため、早い段階から準備を始めることをお勧めします。一方で、教育資金については奨学金や補助金制度を活用し、効率よく準備する工夫が必要です。

最後に、ファイナンシャルプランナーや税理士などの専門家に相談することで、より具体的で効果的な計画を立てることができます。教育と老後、どちらの未来も明るくするために、今できる最善の一歩を踏み出しましょう。

本記事の内容は、原則、記事執筆日時点の法令・制度等に基づき作成されています。最新の法令等につきましては、弁護士や司法書士、行政書士、税理士などの専門家等にご確認ください。なお、万が一記事により損害が生じた場合、弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。

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