リバースモーゲージとリースバック、老後資金確保のための不動産活用徹底比較
老後の生活資金に不安を感じる方は少なくありません。自宅という大切な資産を売却せず、住み続けながら資金を調達する方法として、「リバースモーゲージ」と「リースバック」が注目されています。
どちらも「持ち家に住みながら現金を手にできる」という共通点がありますが、仕組みやメリット・デメリットは大きく異なります。ご自身の状況や目的に合わせて最適な選択をするために、両者を徹底的に比較してみましょう。
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仕組みの根本的な違い
リバースモーゲージとリースバックの最大の違いは、「融資(借入)」なのか、「不動産の売買」なのかという点です。
| 項目 | リバースモーゲージ | リースバック |
| 仕組み | 自宅を担保にした融資(借入) | 自宅を売却し、同時に賃貸契約を結ぶ |
| 資金の性質 | 借入金(負債) | 売却代金(資産) |
| 所有権 | 契約期間中も契約者に残る(担保設定) | 買主(不動産会社など)に移転する |
| 契約終了時 | 契約者の死亡時などに自宅を売却し、一括返済 | 賃貸契約の期間満了、または解約 |
リバースモーゲージ(融資)
自宅を担保に金融機関から資金を借り入れる仕組みです。契約期間中は利息のみを支払い、元本は契約者死亡時などに自宅を売却して一括返済するのが一般的です。自宅の所有権はそのまま残ります。
リースバック(売買+賃貸)
自宅を不動産会社などの買主に売却し、その代金を受け取ります。同時に、売却した自宅と賃貸借契約を結び、家賃を払いながら住み続けます。自宅の所有権は買主に移転します。
メリット・デメリットの比較
それぞれの仕組みによって、得られるメリットと、注意すべきデメリットが異なります。
| メリット | デメリット |
| 自宅の所有権を維持できる | 資金使途に制限がある場合が多い(事業資金など不可) |
| 契約期間中の毎月の支払いは利息のみ(元本返済不要)で負担が少ない | 金利変動リスクがある(変動金利型の場合) |
| 相続人が残債を返済すれば自宅を残せる | 対象物件・地域、利用者の年齢に制限があることが多い |
| 資金の受け取り方を一括・分割など選べる | 不動産評価額の5〜7割程度が融資限度額となる |
| 毎月の住居費(家賃)が発生しない | 長生きすると融資枠を使い切る可能性がある |
リバースモーゲージは、自宅の所有権を維持したい方や、毎月の住居費の負担を避けたい方に適しています。ただし、利用条件が厳しく、マンションは対象外となるケースもあります。
リースバックのメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
| すぐにまとまった資金を一括で得られる | 所有権を失い、住み続けるためには毎月家賃が発生する |
| 資金使途に制限がない | 売却価格が市場相場より低くなる傾向がある |
| 年齢制限が比較的緩やかで、成人なら基本的に利用可能 | 家賃が周辺相場より高めに設定されることがある |
| マンションでも利用しやすい | 賃貸契約の期間や家賃の更新に注意が必要 |
| 担保評価額に関係なく、売却価格を資金として受け取れる | 長期的に家賃を払い続けるリスクがある |
リースバックは、資金使途を問わずすぐに現金が必要な方、またはリバースモーゲージの対象外となるマンションにお住まいの方に向いています。しかし、所有権の喪失と家賃の発生は大きなデメリットです。
資金の受け取り方と使途の比較
| 項目 | リバースモーゲージ | リースバック |
| 資金の取得方法 | 融資(借入) | 不動産の売却 |
| 受け取り方 | 一括、分割(年金形式)、極度額内での自由な引き出しなど選択肢が多い | 一括のみ |
| 資金の使途 | 生活費、医療・介護費、住宅リフォーム費など使途が限定されることが一般的 | 原則自由(事業資金、投資にも利用可能) |
リバースモーゲージは資金の使途に制限がある一方で、必要な時に必要な分だけ借りられる柔軟性があります。一方、リースバックは資金使途の自由度が非常に高いですが、売却代金を一度に受け取る形になります。
どちらを選ぶべきか?判断のポイント
リバースモーゲージが向いている人
-
自宅の所有権を維持したい
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毎月の住居費(家賃)負担を避けたい
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資金使途が生活費や医療費などに限定されても問題ない
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相続人に自宅を残せる可能性を残したい
リースバックが向いている人
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すぐにまとまった資金を必要としている
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資金使途に制限なく自由に活用したい
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所有物件がリバースモーゲージの対象外となる可能性が高い(例:マンションなど)
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年齢制限などの利用条件でリバースモーゲージの利用が難しい
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自宅の所有権にこだわらない
まとめ
リバースモーゲージとリースバックは、どちらも老後資金を確保するための有効な手段ですが、「借りる」と「売る」という根本的な違いから、様々な側面で対照的な特徴を持ちます。
資金の必要性、使途の自由度、所有権へのこだわり、毎月の家計負担、そしてご自身の年齢や健康状態など、総合的に判断することが重要です。
どちらを選ぶにしても、複数の金融機関や不動産会社の条件を比較検討し、家族ともよく話し合った上で、専門家(ファイナンシャルプランナー、税理士など)にも相談しながら慎重に決定しましょう。
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