身軽に、心豊かに!自宅の片付けからデジタル整理まで「終活片付け」のすすめ
「終活」と聞くと、少し重い響きに感じるかもしれません。しかし、終活片付けは、人生の終わりを意識するだけでなく、今をより快適に、心豊かに生きるための素晴らしい機会です。モノと情報が溢れる現代だからこそ、身軽になることで得られる心のゆとりは計り知れません。
この記事では、身の回りの整理からデジタルデータの整理まで、「終活片付け」を始めるメリットと具体的なステップをご紹介します。
終活片付けとは?
終活片付けとは、人生の終わりを意識して、身の回りの物品を整理し、財産や葬儀、お墓などに関する準備を行う「終活」の一環として行われる片付けのことです。単に物を処分するだけでなく、これからの人生をより豊かに、そして残された家族の負担を減らすことを目的としています。
終活片付けのメリット
終活の片付けと聞くと、悲しい気持ちになるかもしれませんが、実はその逆です。老後や家族の不安をなくし、前向きに自分の人生と向き合うチャンスでもあります。まずは、終活片付けのメリットをご紹介します。
家族の負担を軽減できる
遺族は、あなた以上にあなたのモノを片付けたり、処分をすることを負担に感じます。それは何が大切なモノで、残しておくべきなのか判断をするのが難しいからです。そのため、多くの時間と労力が奪われます。
あなたの死後、家族は葬儀の準備や財産相続の手続きなどあらゆる仕事をこなさなくてはなりません。もしあなたが、老前整理をきちんとしていれば、家族への負担を大きく減らせます。
住環境を整えられる
歳を重ねると、次第に体力や足腰の筋力が衰えてきます。もし、部屋の中が散らかっていたり動線上に物が置いてあったりすると、障害物につまづいて思わぬ怪我をしてしまう可能性があります。また、地震などの災害が起こった場合、高いところに積んでいた物が落下する危険もあります。
終活としての片付けを行って部屋を整理整頓すれば、安全な住環境を整えることができます。
相続トラブルを防げる
片付けを済ませずに亡くなってしまうと、遺族間の財産トラブルにつながる可能性があります。金融口座や保険などの整理を進めておくことで、お金関連の問題を防ぐことができます。相続登記の手続きには時間がかかるため、遺族の負担を減らす意味でも身辺整理は大切です。
これまでの人生を振り返るきっかけができる
終活としての片付けは、これまでの人生を振り返るきっかけにもなります。これまで眠っていた日記や昔の写真、大切にしていた物などの整理整頓をすることによって、これからの生き方を見つめ直すことができます。思い出を片付けることで、ただ部屋が綺麗になるだけでなく、新しい気持ちで今後の生活を送れるようになるでしょう。
終活の片付けの手順
終活での片付けは、普段の掃除とは異なるため、どのように進めていけばよいか迷ってしまうかもしれません。終活での片付けは、段取りを考えて周りのものを整理整頓していくことが大切です。ここからは、片付けの手順を詳しく解説していきます。
STEP①持ち物を全て出す
まずは、その日に片付けをする場所のモノを取り出してください。全て取り出して、ご自身の全ての持ち物を把握します。買ったにもかかわらず、使っていないモノや思わぬ掘り出し物が見つかるかもしれません。
STEP②モノを分別する
続いて、取り出したモノを「必要」「不要」「保留」の3つのグループに分別します。
1年以上使っていないモノについては「不要」に分類するとよいです。「保留」については「捨てるかどうかを5秒以上悩んだら入れる」など、ご自身でルールを作って、そのルールに従って活用することをおすすめします。
そして、1ヶ月後や3ヶ月後など定期的に「保留」に分類されたモノを再度見直し、分類しましょう。気持ちの負担も減りますし、スムーズに片付けができます。
STEP③必要なものを収納する
必要なものと不要なものの分類が終わったら、「必要」に振り分けたものを収納します。整理整頓した後の状態を保てるように、家の中の動線を意識しながらものを片付けていきましょう。押し入れの奥や高い場所など、手が届きにくいところには使う頻度が低いものを収納します。
STEP④不用品を処分する
不用品の処分方法は、いくつかあります。
- 自治体の回収を利用する:手間はかかりますが、費用を抑えることができます。
- 不用品回収業者へ依頼する:費用は割高になることがありますが、一度に処分できます。
- 譲渡や寄付をする:リサイクルショップやフリマサイトを利用したり、ボランティア団体に寄付したりします。
高価なモノや価値の高いモノの買い取りは、店舗によって査定額が異なることがあるため、いくつかのお店に依頼しましょう。
STEP⑤デジタルデータを仕分ける
部屋の中や物置などの整理が一通り終わったら、次にデジタルデータの仕分けを行いましょう。デジタルデータとは、携帯電話やパソコンなどに入っている写真や個人情報などです。
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写真や動画の整理 増え続ける写真や動画は、クラウドサービスや外付けハードディスクにバックアップを取り、不要なデータは削除しましょう。整理されたデータは、いつでも簡単に思い出を振り返る助けになります。
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パスワードの管理 SNSやオンラインサービス、銀行口座など、デジタル世界には多くのパスワードが存在します。これらを一覧にしてまとめ、信頼できる家族と共有する方法を考えておきましょう。
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「デジタル遺品」について家族と話す デジタル遺品とは、持ち主の死後も残り続けるデジタルデータのことです。IDやパスワードを共有するだけでなく、デジタルデータの扱いについて、家族と事前に話し合っておくことが大切です。
STEP⑥貴重品をまとめる
終活においての片付けでは、貴重品の整理も必要です。預金通帳や年金手帳、健康保険証などは一か所にまとめておきましょう。相続の対象となるような貴重品は、家族の目に留まりやすいよう、なるべく一つの場所にまとめるようにしましょう。
終活片付けで気を付けるべきこと
体力があるうちに取り掛かる
片付けは、体力のあるうちに取り掛かるのがコツです。家具や家電など大きなものを処分するには、かなりの手間と体力が必要です。筋力が落ちたり、足腰が悪くなったりしてからだと、スムーズに片付けが進まなくなる恐れがあるため、なるべく早めに着手しましょう。
重要書類は捨ててはいけない
書類関係は絶対に捨ててはいけません。特に保険・金融・不動産関係の書類は注意してください。これらのような「資産」関連の書類は、死後に再発行できないものもあるからです。
これらの書類は1枚1枚よく確認してから分別し、重要なものはファイルにまとめておくとよいでしょう。
家族と一緒に行う
一人ではなく家族と一緒に行うと、作業がより捗るでしょう。家族と身の回りの整理をすることで、残しておきたい財産や貴重品の場所などをきちんと伝えられます。意見のすれ違いを防ぐためにも、家族の意見を取り入れながら片付けを進めてみてください。
まとめ
終活の一環として身の回りのものを片付ければ、家族への負担を減らしたり、住環境が整ったりといったメリットがあります。片付けを行う際は一度にやりきろうとせず、順序を立てて計画的に作業を進めていくことが大切です。今回紹介した片付け方法やコツを参考に、身の回りの整理を行いましょう。