シルバー人材センターを使い倒す! どんな仕事があり、いくら稼げるのか?
「定年後は、週に数日だけ働いて、孫のお小遣いくらい稼げればいい」 「現役時代のような責任の重い仕事はもういいけれど、社会とは繋がっていたい」
そんなシニア世代の願いを叶える場所として、全国の市区町村にある「シルバー人材センター」が注目されています。
かつては「植木の手入れ」や「障子張り」といった職人仕事のイメージが強かったシルバー人材センターですが、今はそのイメージが大きく変わりつつあります。デスクワークから家事代行、専門スキルを活かした仕事まで、ラインナップは驚くほど多彩です。
この記事では、シルバー人材センターを単なる「仕事紹介所」としてではなく、定年後の生活を豊かにするための「最強のプラットフォーム」として使い倒す方法について、仕事の中身やリアルな収入事情を交えて解説します。
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1. そもそも「シルバー人材センター」とは? バイトとは違う仕組み
まず、ここを誤解していると「こんなはずじゃなかった」となります。シルバー人材センターは、ハローワークや派遣会社とは根本的に仕組みが異なります。
「就職」ではなく「個人事業主」に近い
シルバー人材センターに入会すると、センターから「仕事(業務)」を請け負う形になります。これを法的には「請負(うけおい)」や「委任(いにん)」と言います。
つまり、センターとの間に雇用関係はなく、あなたは「会員」という名の個人事業主として働くことになります。 そのため、受け取るお金は給料(賃金)ではなく、「配分金(はいぶんきん)」と呼ばれます。
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特徴: 原則として、労災保険の適用がありません(その代わり、独自の「シルバー保険」に加入します)。
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目的: 「ガッツリ稼ぐ」ことよりも、「生きがい」や「地域貢献」に重きを置いています。
※注意:最近のトレンド「シルバー派遣」 最近は、企業の指揮命令下で働く「派遣」形式の仕事も増えています。この場合は労働者派遣法が適用され、労災なども適用されます。
2. 意外と知らない! 仕事のラインナップ
「草むしりばかりでしょ?」と思ったら大間違いです。 現在、シルバー人材センターで扱われている仕事は多岐にわたります。あなたの経験や好みに合わせて選べる「4つのカテゴリー」を紹介します。
① 【技能・専門系】現役スキルをそのまま活かす
特定の資格や経験がある人には、高単価な仕事が待っています。
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学習支援: 塾の講師、家庭教師、小学校の補習補助。
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語学・観光: 文書の翻訳、通訳ガイド。
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技術職: 経理事務、大工仕事、植木剪定、着付け指導。
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IT関連: パソコン教室の講師、スマホ操作の指導員。
② 【事務・管理系】体力を使わずコツコツ働く
体力に自信がなくても大丈夫。女性にも人気の分野です。
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施設管理: 公民館や駐輪場の受付・管理。
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事務補助: 宛名書き、封入作業、賞状書き(毛筆)。
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調査・検針: 水道の検針、空き家調査。
③ 【サービス・家事系】「主婦力」が最強の武器に
長年の家事経験が、そのまま仕事になります。
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家事援助: 掃除、洗濯、買い物代行、食事作り。
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育児支援: 保育園の送迎、産前産後のママサポート。
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高齢者支援: 独居老人の見守り、話し相手。
④ 【屋外・軽作業系】体を動かして健康維持
適度な運動になり、ジム代わりになると男性に人気です。
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除草・清掃: 公園や個人宅の草むしり、落ち葉掃除。
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農作業: 収穫の手伝い、種まき。
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軽作業: 工場内での簡単な組み立て、仕分け。
3. ぶっちゃけ、いくら稼げるの? 収入のリアル
気になるお金の話です。「お小遣い程度」と言われますが、具体的にはどれくらいなのでしょうか。
平均月収は「3万〜5万円」
全国平均を見ると、会員の平均月収は3万円〜5万円程度です。 「なんだ、それだけか」と思うかもしれませんが、これは「週2〜3日、1日数時間」という働き方をする人が多いためです。
報酬の目安(配分金)
地域や仕事内容によって異なりますが、時給換算すると以下のようになります。
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誰でもできる軽作業(除草、清掃など):
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時給換算:地域の最低賃金〜1,000円程度。
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少しスキルのいる仕事(家事代行、事務など):
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時給換算:1,000円〜1,200円程度。
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専門職(植木職人、翻訳、講師など):
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時給換算:1,500円〜2,000円以上になることも。
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「月10万円」の壁
シルバー人材センターの理念は「ワーク・シェアリング(仕事をみんなで分け合う)」です。一人の会員が仕事を独占しないよう配慮されるため、月8日〜10日程度、月収8万〜10万円あたりが事実上の上限となることが多いです。 生活費を全て賄うというよりは、「年金の足し+α」として考えるのが正解です。
4. メリット・デメリットを天秤にかける
良いことばかりではありません。入会前に知っておくべきメリットとデメリットを整理します。
メリット:自由と健康
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自分のペースで働ける: 「来週は旅行に行くので休みます」といった調整がしやすいです。
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定年がない: 60歳以上であれば、健康な限り何歳でも続けられます(80代の会員も多数!)。
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仲間ができる: 地域に知り合いが増え、孤独感とは無縁になります。
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講習会が無料(格安): 未経験の仕事(植木やふすま張りなど)を覚えるための講習会に参加でき、新たなスキルが身につきます。
デメリット:不安定さと保証
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仕事がない時もある: 依頼ベースなので、毎月決まった収入があるとは限りません。
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労働法の保護外: 請負契約の場合、有給休暇や残業代はありません。
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人間関係: 地域密着型ゆえに、会員同士の濃い人間関係が面倒だと感じる人もいます。
5. 賢い使い倒し術! 「良い仕事」を回してもらうコツ
せっかく入会するなら、条件の良い仕事や、自分に合った仕事を得たいものです。事務局スタッフに「この人には仕事を頼みやすい」と思われるためのコツがあります。
① 最初は「選り好み」しない
最初から「楽な事務仕事しかやりたくない」と言うと、紹介のチャンスが減ります。 まずは、単発の清掃やイベントの手伝いなど、募集の多い仕事を快く引き受けてみましょう。「真面目にやってくれる人だ」という信頼残高が貯まると、人気の案件が回ってきやすくなります。
② 「講習会」には積極的に参加する
センターでは定期的に「刈払機(草刈機)講習」「パソコン講習」「家事援助講習」などを開催しています。これに参加して修了証をもらうと、その分野の仕事が優先的に紹介されます。 無料で学べて仕事も増える、一石二鳥のチャンスです。
③ プロフィール(得意分野)を明確に
入会時に、自分の職歴や得意なことを詳しく伝えましょう。 「英語が得意」「DIYが好き」「昔、経理をやっていた」など、具体的なキーワードが登録されていれば、特殊な依頼が来た時に「そういえば〇〇さんがいたな」と思い出してもらえます。
まとめ:仕事を通じて「地域デビュー」しよう
シルバー人材センターは、単にお金を稼ぐ場所ではありません。 それは、会社人間だったあなたが、「地域の住人」としてデビューするための玄関口です。
月3万円の収入は、年間で36万円。 夫婦で温泉旅行に行ったり、孫にランドセルを買ってあげたり、新しいパソコンを買ったりするには十分な金額です。 そして何より、「ありがとう」と感謝される喜びは、お金には代えられない心の栄養になります。
「まだ早いかな?」と思っている今こそが、始めどきです。まずは説明会に参加して、地域の先輩たちがどんな顔で働いているか、覗いてみてはいかがでしょうか。
