「ねんきん定期便」が送られてきたら?確認すべき3つのポイントと活用法
毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」。
「難しそうでよくわからない…」と、封を開けずにそのままにしていませんか?
ねんきん定期便は、将来受け取る年金額の目安や、これまでの年金加入記録が記された、ご自身の年金の「成績表」のようなものです。
これを正しく理解することで、将来の不安を解消し、老後の資金計画を立てることができます。
ここでは、ねんきん定期便が届いた際に確認すべき3つのポイントと、その活用法をご紹介します。
ねんきん定期便で見るべきポイント
ねんきん定期便のどこを確認すると何が分かるのか、具体的に見ていきましょう。
ねんきん定期便は年齢によって記載内容が異なるため、「50歳以上」と「50歳未満」に分けてそれぞれ解説します。
50歳以上の場合
①受給資格期間
今までどんな種類の年金にどれくらいの期間加入してきたかが分かる部分です。老齢年金を受け取るためには、この「受給資格期間」が原則120ヶ月以上である必要があります。記載されている月数に誤りがないか、受け取れる条件を満たしているか確認しましょう。
なお、受給資格期間には保険料を免除されていた期間は含まれますが、手続きせず未納にしていた期間は含まれません。
②老齢年金の種類と見込額(年額)
「老齢年金の種類と見込額(年額)」の欄を見ると、60歳まで現在と同様に年金保険料を納めた場合に、65歳から受け取れる年金額を確認できます。
あくまで仮定に基づく「見込額」なので、必ず記載されている通りの金額になるとは限りません。しかし、おおまかな目安にはなります。
年金の受け取り開始時期は原則65歳からですが、60歳〜75歳の間で自分で選択できます。早く受け取ると1回当たりの受け取り額が減額され、遅らせると増額される仕組みになっています。
年金記録の重複がある場合や特定の共済組合に長く加入していた場合など、まれにこの欄に金額が表示されない人もいます。その場合は、地域の年金事務所に問い合わせてみましょう。
【50歳未満の場合】
③これまでの加入実績に応じた年金額
50歳未満の人の場合、老齢年金を受け取り始めるのはまだ先です。そのため、50歳以上の場合とは違い、年金の見込額の記載がありません。
その代わり、今までの加入実績だけを反映させたらいくらになるかが記載されています。この欄の数字には将来の予測が含まれていません。つまり、実際に受け取れる将来の年金額は、今後の年金加入状況や収入次第でかなり変わってきます。
国民年金・厚生年金保険共に、加入実績に応じて年金額が変わります。国民年金を満額受け取れるケース(保険料納付済期間480ヶ月以上)と比べてどの程度になりそうか確認しましょう。
将来の年金の見込額を知りたい場合は、後述する方法で別途調べる必要があります。
④標準報酬月額
もう1点確認しておきたいのが、表面の「最近の月別状況」の中で記載されている「標準報酬月額」です。
会社員や公務員などが加入する厚生年金保険では、毎月の給与額を32段階に等級分けした金額(標準報酬月額)によって保険料や将来の年金額が上下します。標準報酬月額が高いほど、支払う保険料も高くなるので、受け取れる年金が多くなる仕組みです。おおまかな金額については後述の「【年収別】もらえる年金額の目安」で紹介しています。
ねんきん定期便はいつまで保管すべき?
毎年届くねんきん定期便、いつまで保管しておくべきか迷う人もいるでしょう。これらは国が管理している情報ですし、定期便はあくまでお知らせですので紛失しても問題ありません。しかし、次のねんきん定期便が届くまでは保管しておくと良さそうです。私はFP相談で必ずねんきん定期便を持ってきていただくようにしています。やはり将来のこと、お金のことを考えるときにはねんきん定期便が役立つのです。
余談ですが、定期便の見方が分かるようになれば、あえて毎年集めていくのも面白いと思います。年金の成長記録というところでしょうか。
また、ねんきんネットに登録すると、いつでも内容を確認できます。その場合、郵送で送られてくるねんきん定期便の送付を停止することもできます。電子化が進み、紙の使用や送料などエコの観点からも協力が求められています。
【年収別】もらえる年金額の目安
おおまかな年金額の目安を知りたい人は、以下の表でチェックしてみましょう。
自営業者や専業主婦 | 満額で年間81.6万円(月額6.8万円程度) |
会社員・公務員(生涯平均年収300万円) | 年間134万円(月額11.2万円程度) |
会社員・公務員(生涯平均年収600万円) | 年間192万円(月額16.0万円程度) |
会社員・公務員(生涯平均年収900万円) | 年間250万円(月額20.8万円程度) |
まとめ
今回は、ねんきん定期便の見方を紹介しました。まとめると次のようになります。
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