遺産相続で探偵に依頼するメリットとは?

遺産相続関連の相続トラブルはは、財産の分配だけでなく、親族間のトラブルや相続人の所在が不明など様様な問題が発生する可能性があります。
こうした問題を解決する相談先としては、弁護士や司法書士が一般的ですが、実は探偵に相談することでスムーズに解決する場合もあります。

今回は、相続問題で探偵がどのような調査を行うのか、依頼できる内容やメリットをご紹介します。

探偵が調査するイメージ画像

遺産相続で探偵に依頼するメリットとは?

遺産相続の場面において、探偵を利用することには多くのメリットがあります。証拠収集や人探しなどの調査を専門としている探偵には、以下のような調査が可能です。

相続人の特定

遺産相続において、相続人の所在が不明であることは手続きを複雑化させ、トラブルの原因となります。
探偵は、高度な調査技術と豊富な経験を活かし、行方不明の相続人を見つけ出すことができます。また、探偵は法律に基づいた正確な情報を提供することで、相続手続きのスムーズに進めます。特定としては以下のようなものがあります。

戸籍調査による法定相続人の確定

被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍などを取得し、法定相続人を確定します。法定相続人の確定により、誰が遺産分割協議に参加する権利を持つのかが明確になります。

遺言書に記載された相続人の確認

遺言書が存在する場合は、遺言書に記載された相続人を確認します。

隠し子・異母兄弟などの調査

戸籍上明らかにならない隠し子や異母兄弟などが存在する可能性も考慮し、必要に応じて追加の調査を行います。

失踪宣告を受けた相続人の調査

長期間行方不明で失踪宣告を受けている相続人がいる場合、相続手続きに与える影響を調査します。

遺産調査

遺産調査は、遺産分割協議の基礎となる情報を提供し、相続税申告にも必要不可欠な作業です。遺産の全容を正確に把握することで、相続人間での公平な分割が可能となります。具体的な調査内容としては以下のような調査があります。

不動産、預貯金、株式などの財産調査

不動産登記簿謄本、預貯金通帳、株式の取引明細などを調査し、遺産の具体的な内容と評価額を把握します。

動産(自動車、芸術品、貴金属など)の調査

貴金属、美術品、自動車など、動産の評価は専門家の連携し、鑑定の評価額を把握します。

負債(借金、ローンなど)の調査

借金やローンなどの負債も信用情報機関への照会や契約書などの調査を行い、負債の全容を把握します。

生前贈与・名義預金の調査

前に行われた贈与や、名義が他人になっている預金(名義預金)は、遺産分割の対象となる場合があります。贈与契約書や預金通帳などを調査し、実質的な所有者を明らかにします。

遺言調査

遺言書が法的に有効であるかどうかを判断するのは弁護士や司法書士の仕事ですが、その遺言書が不自然な状況で作成された場合、探偵による調査が有効です。

公正証書遺言、自筆証書遺言の探索

公正証書遺言の場合は、平成元年(1989年)以降に作成されたものであれば、全国どこの公証役場でも、その有無を検索してもらうことが可能です。
自筆証書遺言の場合、亡くなった方のご自宅、取引のあった銀行の貸金庫の確認、相続人や親しかった人に確認するなどの方法で、その有無を調べます。

遺言書の有効性調査

遺言書が法的に有効であるかどうかを判断するのは弁護士や司法書士の仕事ですが、その遺言書が不自然な状況で作成された場合、探偵による調査が有効です。

遺言書の偽造・変造の疑い調査

遺言書の筆跡鑑定や作成状況の調査を行い、偽造や変造の疑いがないかを確認します。

まとめ

相続は思った以上に複雑で、想像以上に時間を要します。
特に居場所や連絡先が分からない相続人がいる場合、相続の話し合いができないなど思うようにいかないと認識しておいたほうが良いかもしれません。
また、調査する内容も多岐に渡る場合もあるので、できるだけ早く相続人を探し出したいときや相続調査を進めたい場合は、探偵に相談してみるのもよいでしょう。

本記事の内容は、原則、記事執筆日時点の法令・制度等に基づき作成されています。最新の法令等につきましては、弁護士や司法書士、行政書士、税理士などの専門家等にご確認ください。なお、万が一記事により損害が生じた場合、弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。

関連記事

前の記事へ

【特別受益と寄与分】2つの違いや請求手続きにおける注意点を解説

次の記事へ

お墓を相続(承継)するのは誰?承継者の決め方や費用・流れを解説